2011年03月
2011年03月18日
新酒を味わう会
新酒を味わう会のときに病床より杜氏が皆様へしたためた文章です
八千穂美醸会会員の皆様へ
八千穂美醸会会員の皆様へ
本日は今年度最後、そして一番皆さんが楽しみにしていた新酒祝いに参加いただきありがとうございます。
せっかく皆さんにお越しいただいたのに、わたくし黒澤洋平は30歳にして初インフルエンザにかかり外出禁止令が出てしまい今日は皆さんと一緒に新酒を楽しむことができなくなってしまいました。
大変申し訳ございません。
そして私自身も大変残念でなりません。
大変続きで失礼ながら今年のもろみ管理とお酒の出来栄えについて少々ご説明させていただきます。
さて、今年のもろみ管理苦労話。
もろみ日数としては29日。
予定よりも長い日数がかかりました。
原因としては、ちょっと酵母の元気がなかったこと、醗酵ピーク期の冷え込みが厳しかったことなどが重なり
終期に来て醗酵がやや緩慢になり長期もろみとなりました。
昨年は冷やせ冷やせでしたが今年は冷やすな冷やすなと、気候に振り回されました。
ブログの経過報告ではクールを装っておりましたが内心ヒヤヒヤの毎日でありました。
そして肝心な八千穂美醸会特別別純米無ろ過原酒の出来栄えですよね。
ブログの方にも書かせていただきましたが、私の個人的な感想としましては
穏やかな吟醸香、ちょっとパイナップル系の香りが奥の方にします。
口に含むと優しい甘さの後にアタックの強い酸がきてすぅっと抜けてく感じ。
少々最後に苦みが残りますがこれは熟成が進むことによって徐々になくなっていくと思います。
昨年よりも日数はかかりましたが、その分どっしりと濃醇な酒質に仕上がりました。
口に含むと優しい甘さの後にアタックの強い酸がきてすぅっと抜けてく感じ。
少々最後に苦みが残りますがこれは熟成が進むことによって徐々になくなっていくと思います。
昨年よりも日数はかかりましたが、その分どっしりと濃醇な酒質に仕上がりました。
料理との相性は
さっぱりとした和食よりは、こってりとした中華料理やチーズ系の料理などが舌の上に乗っかった油をお酒の酸がすっと流してくれると思います。
わたくしもこんな状態になってしまったので、火入れ酒の方はまだ飲んでいないのですが
火入れ酒はまだ味が落ち付いてないかもしれないので、今回の新酒祝いではとりあえず生酒の方を中心に堪能していただき
火入れ酒は1週間後ぐらいからが楽しみ時かもしれません。
他に楽しみ方の提案としますと、生酒を夏ぐらいまで冷蔵庫で貯蔵なんかしてみると更に濃厚な味が楽しめると思います。
割水してアルコール分を14~15%台に落として(14%180ml=原酒145ml:水35ml 15%180ml=原酒155ml:水25ml)
飲みやすくして飲んだり、それをぬる燗(40~45℃)ぐらいにして楽しんでいただくのも面白いと思います。
もちろん割水する場合は当蔵の湧水をお勧めいたします。
そして、本日お土産になっている酒粕は美醸会特別純米酒の酒粕です。
粕汁にしたり魚やお肉を粕漬けにして酒の肴にして楽しんでみてはいかがでしょうか?
酒粕も昨年末ためしてガッテンに健康食品として取り上げられ注目を浴びました。
が、日本酒を造らないと酒粕はできないのです。
美醸会の皆さんはもちろん「酒粕」より「日本酒」の方たちの集まりなのでその辺は大丈夫ですよね!?
とにかく今日は思う存分に皆さんが醸した良酒に舌鼓をうってください。
みなさんの美味しい顔を夢に見ながら布団の中からカンパイ!!
2011.3.12
八千穂美醸会事務局兼杜氏 黒澤洋平